▲歩く記録 霧ヶ峰/下諏訪町、長野県

山小屋、霧、道、湿原、本、静寂、木道、高原、山野草……


今回は友人たちと1泊で霧ヶ峰へ。この旅を単語で表すのなら、上のような言葉だろう。私が山に対して惹かれる理由、そして同じような感覚で山への思いをもつ友人と旅をしてきた。


バスと電車を乗り継いで、車山高原へ。今回の旅は「登る」目的ではないのでここからリフトへ乗り、一気に車山山頂に。天気がよければ360度見渡す限りの大パノラマが広がるのだけど、この日は濃霧。おまけに涼しいを通りこして寒い。それでも岩陰に隠れて、駅で購入したおいしいサンドイッチを食べた。


ここから車山肩を目指して歩く。霧が山頂を乗り越え下りてくる様子がとてもよくわかる。霧のミストを全身で浴びて歩いていくと、オレンジ色の帯が見えてきた。ニッコウキスゲだ。その後、ころぼっくるヒュッテで珈琲をのみ、再び、さらにその先につづく車山湿原を木道沿いに進む。湿原に入ると急に草丈が変わる。かわいい可憐な草花ばかりで、なかなか前に進めない。

歩きながらふと後ろを振り返ると、ころぼっくるヒュッテが遠くに見える。霧の漂う夕暮れの気配がする中、三角屋根の小屋の存在は、歩く人をとても勇気づけてくれる。さあ、急いで今夜の宿を目指そう。木道と林の中を進み、灯のともる「ヒュッテみさやま」を見つけた時は、はじめての場所なのに何ともいえない安堵感があった。小屋へとつづく小道は、まるで赤毛のアンに出てくるような道だね、と友人たちと話した。



木道という存在だからなのか、なだらかな草原が広がる道だからなのか、”道を歩く”という行為をここまで強く感じた時間はないかもしれない。そこには通過点(小屋や山、湿原など)はあるけれど、それは目的地ではなく、ただそれらをつなぐ道を歩く。その行為そのものに彩りがあり、豊かさを感じた。


ヒュッテみさやまと翌日の八島ヶ原湿原は、次へつづく。


1日目

(特急あずさ)▶茅野駅▶~アルピコ交通バス~車山高原▶~リフト~車山山頂▶車山肩(ころぼっくるヒュッテ)▶車山湿原▶沢渡▶ヒュッテみさやま

2日目 

ヒュッテみさやま▶八島ヶ原湿原▶沢渡~アルピコ交通~▶上諏訪駅(特急あずさ)


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